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ふつうの人にはなぜビジネスチャンスが見えないのか? [経済]

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ビジネスチャンスの問題を、別の観点から見てみるとしよう。


七〇年代のアメリカでは、年収10万ドル以上稼ぐ世帯は、1000世帯に十四世帯以下の割合でしか
なかった。しかしなかには、その自立が突出しているグループもいくつかあった。たとえば、
当時の国勢調査のデータを分析したところ、年収が六桁の韓国系移民世帯の比率は、アメリカ人
世帯平均の比率は、アメリカ人世帯平均のじつに三倍だった。


韓国系グループに成功した人たちが集中するのには、それなりの理由があった。彼らは
その経歴を考えれば、その成功率の高さは驚異的である。これらの韓国系世帯の多くは、
アメリカに移住してきた一世たちで、大学教育も受けていない。また、英語は彼らにとって
外国語であり、遺産を相続した者はほとんどいない。
彼らの収入はすべて、額に汗して働いた結果なのだ。

では、いったいなぜ、アメリカにやってきたばかりの人々には見える大きなビジネスチャンス
が、アメリカに生まれ育った人には「見えない」のだろうか?



そこで私は自分の大学の学生に、数年間にわたってある実験を行った。対象としたのは、
私のクラスの学部在学生、MBAを取得した優等生たちである。私は全員に次の質問をぶつけて
みた。


アメリカで収益率がトップクラスの中小企業を十社挙げよ。



何度やっても結果は同じで、学生たちは誰一人正しい答えを出せなかった。学生たちは
誰一人として正しい答えを出せなかった。この実験によって、非常に優秀な生徒でさえ、
アメリカにおけるビジネスチャンスに無関心であることがはっきりしたが、だからといって、彼らの治世に問題があるわけではない。これには、いくつかの理由が考えられる。


第一の理由は、学生のほとんどが、自分で事業を始めようと考えていないからだ。みん
大手企業に就職するつもりなので、中小企業の収益率など気にかけてもいない。


そして第二の理由は、教える側が、さまざまな職業が持つ固有の収益性の問題など、
授業に取り上げないことである。おそらく教材の作成者や教授は、利益の数字などは
「学生の専門的知識を高めるものではない」とでも考えているのだろう。


だが、移民には見えるビジネスチャンスがアメリカの学生には見えない根本的な理由は、
もっとほかの面にある。チャンスを見つける能力は、経験と訓練、そして意欲によって培われる
のである。職業の種類は星の数ほどあるが、どれが儲かり、どれが儲からないかを知りたいと
切望するのは、高い教育を受けて自信に満ち、どこにでも簡単に就職できるアメリカ人か、あるいは
韓国系移民一世か、いったいどちらだろうか?


答えは言わずもがなだろう。韓国系の移民たちは裕福になることを夢見て一生懸命働くと
いうのが、彼らに開かれている唯一の道なのだ。


多くの韓国系移民一世は、高収益率を上げられる、つまり成功する確率が非常に高い
ビジネスを上手に選んでいる。彼らには、ビジネスの情報交換ができる商業組合や文化団体が
多数あるし、事業に成功した人たちが、これから事業を始めようとしている人に個人的に
アドバイスしたりする私的な口コミのネットワークもある。


どうやら、それらのアドバイスはきわめて的確だったようだ。
七十年代のアメリカでも最も羽振りのよかった職業の一つに、ドライクリーニング業がある。
韓国系移民が経営するドライクリーニング店は非常に多く、英語版と韓国版の二種類の
業界専門誌が発行されていたほどだった。



韓国系移民たちが目をつけた、収益率の高い職種はほかにもたくさんある。八百屋や靴の
修繕屋、コンビニエンス・ストアなどがその代表例で、その分野において彼らの力は今や
絶大なものになっている。


韓国系移民は、高品質の商品や質の高いサービスを低価格で提供すれば、
必ず事業は成功することを知っている。そして彼らはまた、それが富の蓄積に、
引いては経済的自立につながることをよく知っているのだ。







2000年始めごろの情報はまだ、昔ながらの方法が通じ、新しい商売の方法を
生むのに夢があった。しかし、20年後の現代、昔の商売で事業を立ち上げることが可能なのか、
やるよりやらないほうがよい選択のようにも思える昨今。


とはいえ、急速に発展したITもわずか30年。数々のビジネスの種類は星の数ほどある。
前向きに考えていかなければならない。少子高齢化が読めるなら何をすればいいのか。
人類が生きる上でお金は天下の回り物。

生きている以上、稼ぐこと、そこに努力することを生きがいとせねばならない。





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