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「何でも自分でやる」は倹約ではない [経済]

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 あなたはたった今、新しい給湯器を配管工に取りつけてもらったところだとしよう。
 

 プロの配管工の時間給は、あなたが考えていたよりもずっと高いので
プロに頼まずに自分でやるべきだったかな、とあなたは思っている。

 
 しかし、ガス給湯器を取り付けられるのは、資格を持っている配管工のみ、と
法律で定めている州もあるくらいだし、一から配管の勉強をして資格をとりたいとは
あなたも思わないだろう。



 これについて、私が取材した億万長者ならば、どんな助言をするだろうか?



 億万長者やミリオネア予備軍は、「最初のコスト」はあまり気にしない。 むしろ、
製品の耐用年数のあいだにかかる維持費にこだわる。 「最初のコスト」はまた、プロの
配管工を頼まずに自分で給湯器を取り付けた場合に節約できた金額も示すものでもある。


 それを見て人は、自分でやれば150ドルの節約になったと思う。だが、それは錯覚だ。


 配管工の請求額には、給湯器が効率よく働くという保証が含まれている。 素人の
あなたがいろいろな製品を物色した結果、高性能機種と同じ性能の給湯器を低価格で
買って(これも初期コストに含まれる)、それを耐用年数いっぱい使ったとしても、
配管工に取りつけてもらった給湯器のほうが、結局150ドル以上も運転コストを
節約できるのである。 それだけではない。


 プロに取りつけてもらった給湯器のほうが長持ちするし、早く湯を沸かせると
推定されている。 自分で取り付けるとなると、設備に対して最後まで何の保証も
ないことになる。



 取り付け方がまちがえて、装置が壊れてしまう可能性は大きい。 悪くすると、
ガスが漏れて一家全員中毒死といった惨事を引き起こしかねない。 最初のコストで
何ドル節約できたか考える前に、運転コストや維持費ばかりでなく、こうした要素も
天秤にかける必要があるのだ。


 自分や家族の命はいったいどれくらいの価値があるのか? それは、
この計算機の中では、値段のつけようのない要素なのだ。


 要は、どちらを取るかという問題である。 給湯器を自分で取りつけながら、
同時に職場で自分の仕事をするのは不可能だ。 もちろん、配管工の1時間の
料金はあなたの時間給よりずっと高い。 だから自分でやれば安上がりだと思う。


 だが、そう思うのは、長期的に見た場合のちがいを考えないからである。 億万長者的な
発想でいくと、こうなる。


 自分で給湯器を取り付けるとなると、設備一式を買える店を探し回らなくては
ならない。 それには時間も労力もいる。 

 この時間と労力を、自分の専門技術を高めたり投資を研究したりするのに使うことも
できるはずだ。


 新しい顧客を探すのもいい。 新しい顧客を一人獲得すれば150ドル以上の
利益になる。 それに自分で配管するとなると、給湯器の取り付け方法について
勉強し、専門の工具もそろえないといけない。


 工具をレンタルするにしても買うにしても、これまた時間とお金がかかる。 だいたい、
一生のあいだにいったい何台の給湯器を取りつける機会があるだろうか?

 
 そもそも、150ドル節約するために初めての配管工事の苦労を味わったら、
もう二度と給湯器を取り付けたいとは思わないのでないか。 配管工になるつもりで
ないのなら、なぜ配管の勉強をする必要があろうか? こういう問題をすべて
考慮してから、実際に何ドル節約できるか考えるべきである。


 即ち、配管工を呼ぶべし!


 これまで何度も、億万長者は倹約家であるという話をしてきたが、倹約イコール
「自分でやること」と思っている人は多い。


 億万長者が倹約するのは、生産性の向上に本当につながる場合である。 ウェブスター
辞典によれば、「倹約」とは「資産の消費をむだのないように切り詰めること」である。

 ここでのキーワードは「資産」であって、これは単に、最初のコストに充てられる資金や
財産を意味するのではない。 何かを購入するなどの経済的行為は、当人のさまざまな
資産に長期にわたって関わってくるのである。

 大多数の億万長者は、ドゥ・イット・ユアセルフ主義者ではないのだ! 自身の本来
の仕事によって収入を得、その金でプロの塗装業者や大工、配管工を雇ったほうが
より高い生産性が得られると考えるのである。


 以前、漫画と絵画とイラストを描いて高収入を得ている人物から、図らずもこの
「ドゥ・イット・ユアセルフ」問題に対する意見を聞かされたことがある。



 そのとき、私は彼の自宅にいた。 ハドソン川の渓谷が見渡せる英国チューダー様式の
大邸宅だった。 話をしながらふと外を見ると、大勢の塗装業者が屋敷の周囲に
足場を組んでいる。 私はこんなに大きな屋敷を塗装するには、いったいどれくらい
費用がかかるのかと思い、家の主に聞いてみた。


 彼の言った金額があまりに大きかったので、つい私は、「あなたは絵描きなんだから、
ご自分で塗ってみては?」と言ってしまった。


 彼はすぐさま、塗装業者に家の塗装をしてもらう代金より、自分の絵の値段のほうが
高いから、と至極真っ当な答えを返してきた。 そして、さらに、まったくごもっとも
と思われることをつけ加えた。



 もし自分で塗っているときに、椅子から落ちたらどうするんです? 死ぬかも
しれないし、一生体に障害を負うかもしれない・・・・そうなったらもう満足に
生計も立てられませんからね。




お金を稼ぐことも、以外でも
生きているときの楽しみ方って、
経験も大事、考え方も大事。
どっちもいい。どっちでもいい。


100年後はいない。しかし今生きている。
命あっての時間あっての人生観。


究極の目標を見つけ、その達成、最高なときのために、
毎日を楽しみながら、充実したいものです。








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