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資産の一部としての不動産 [経済]

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 蓄財優等生タイプの億万長者には、もう一つの特徴がある。 それは、
全部の卵、すなわち資金を、壊れやすい一つの籠に入れることはしないということだ。


 資産家は「自己資金をすべて自分の事業に注ぎ込む」と思われているが、これは
まったくの俗説である。 そんなことは決してない。


 大半の億万長者は、株式市場を全面的に当てにすることはないし、不動産や先物と
いった特定の市場に依存することもない。 大多数の人は投資資金を適度に分散させ、
投資目的の不動産を数種類所有する。


 株式の投資を非常に好む億万長者でさえ、資産の一部は不動産にしてある場合が多い。



 不動産投資に回す資産の割合が高いほど、
その人の純資産が大きいという傾向が見られる。



 私は富裕層の研究を始めてまもなく、この点に気づいた。 ある大手の投資機関から
仕事を依頼されたときのことだ。 私はあるフォーカス・グループの億万長者たちに、
投資方法について尋ねてみた。


 大半の人が「株式や債券に投資している」と答えたが、よくよく聞いてみると、それよりも
はるかに多くのものに投資していることがわかった。 商用不動産をいくつか所有する
事業家もいた。 他の人たちもそれぞれオフィス用総合ビルや工場、医療用研究施設、
賃貸不動産、リゾート地の賃貸不動産ショッピングセンターなどを所有していた。 一戸建て
住宅に投資していた人も何人かいた。

 その一人、アルヴィンは、まさに「猟犬の鼻」を持っているといえる。高校中退者だが
配送業ビジネスで成功したアルヴィンは、ニューヨーク市近郊の高級住宅街に住んでいた。


 あるとき彼は、自分の住む高級住宅地が投資チャンスの宝庫であることに気づいた。
最初に目をつけたのは、一年ほど空き家になっていた、近所の離婚した夫婦の家だった。

 アルヴィンはその家をバーゲン価格で購入し、全体的に修繕を施し、その後数年間は
親戚に貸していた。 そのうちに不動産市場の状況が好転した。


 そこでアルヴィンは、評価額の20%増しでその家を売りに出した。 結果、その物件は
言い値に近い価格で売れた。 購入価格の1.5倍以上の価格で売れたので、同じ時期に
株式に投資した場合よりも多額の利益が上がった。


 億万長者のあいだでは、アルヴィンと同じような投資をする人たちが増えつつある。 高級
住宅街にある持ち家を買い手市場で購入し、妥当な売値を決め、その価格で売れる日を待つ。


 そして、売り手市場で売却し、その利益でまた別の物件を購入する。 多くの場合、住んで
いる地域やその近くで「お買い得」物件を手に入れる。

 そうした掘り出し物の高級住宅を自宅にする人もいるが、多くはそれを純粋な投資手段として
利用している。












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