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(3)世界中で誕生した変異株 [健康]




 新型コロナウイルス(COVID-19)は発見されて以降、世界各地で次々と変異
を遂げ感染拡大を続けてきました。ここからは、新型コロナウイルスの基本構造
を確認した上で、変異㈱についてみていきます。



<新型コロナウイルスの構造>

 新型コロナウイルス(COVID-19)はタンパク質でできた「カプシド」
という殻の中に遺伝情報となる核酸(RNA)が収められています。

さらに、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスなどと同様に
カプシドの外側を「エンベロープ」と呼ばれる脂質膜が覆っています。
ウイルスによっては、エンベロープが無いものも存在します。エンベロープ
にある突起が王冠(ギリシア語で「コロナ」)のように見えることから
その名が付きました。



<ウイルスの変異について>

 ウイルスは細胞を持たないため、自分自身で増殖することはできません。そこ
で、増殖や感染を繰り返す中で、少しずつスパイクタンパク質の遺伝子配列に
コピーミスが起こることによって、変異株が作られます。新型コロナウイルスの
ようなRNA型のウイルスは変異が起こりやすいとされており、約2週間程度で
変異株が生じてしまうと考えれれています。


 国立感染症研究所では、変異株の警戒レベルの度合いに応じて、懸念される変異
株(VOC:VaruantsUnderMonitoring)の大きく3つに
分類しています(2021年11月26日現在)。変異株は従来の新型コロナウイルスに比べ
感染力が強いといわれています。


●懸念される変異株(VOC)

 懸念される変異株(VOC)とは、主に感染力が強まったり、ワクチンの効果を
減弱させるなど、ウイルスの性質が変化した可能性が明らかな株です。現在、ベー
タ株、ガンマ株、デルタ株、新たに南アフリカなどで見つかったオミクロン株
が加わり4種類存在します。その中でデルタ株が日本国内では主流となってい
ます。

 さらに、新たに分離されたオミクロン株は、人間の細胞に結合するウイルス表
面のスパイクタンパク質だけで従来の新型コロナウイルスと比べて32カ所もの
変異があることが分かり、南アフリカの一部地域では感染力が強いデルタ株か
ら、オミクロン株に置き換わっているといわれており、感染力が増している可能
性があるとけねんされています。


●注目すべき変異株(VOI)

 注目すべき変異株(VOI)とは、感染力が強まったり、ワクチンの効果を減弱
させることが示唆され、複数の国や地域でクラスターが発生するなど感染拡大
している株です。現在は該当なしとされています。


●監視中の変異株(VUM)

 監視中の変異株(VUM)とは、感染力が強まる可能性が疑われる遺伝子の変異
があるが、疫学的な影響が不明であるため、一定期間監視強化が必要とされる株
です。一時はVOCやVOIに指定されたものが、感染例が激減したものなども
含まれます。アルファ株、旧カッパ株、ラムダ株、ミュー株、A.Y4.2の5種類
が存在します。





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