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(6)注目の抗体カクテル療法&第5の治療薬について [健康]




<抗体カクテル療法>

 抗体カクテル療法とは、体内に抗体を点滴注入することで新型コロナウイル
スが増殖するのを防ぎ、重症化を予防するための治療法です。国内では4例目
の新型コロナウイルス治療薬であり、軽症者に使用することのできる初めての
治療薬として厚生労働省が2021年7月に特例承認を行いました。
 対象者は、発症初期(7日以内)で、50歳以上や基礎疾患があるなど、重症化
リスクが高いと考えられる軽症・中等症患者向けとなっています。厚生労働省は、
7月当初、原則としては入院して点滴投与としていましたが、医療機関が重症者
の対応のためひっ迫していることを受け、9月に療養施設および自宅療養者への
往診でも使用を認めました。しかし、抗体カクテル療法は、投与から24時間以
内に重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が出た症例が報告されており、厚
生労働省は、十分な経過観察ができる医師を常駐させるなどの体制を確保する
ように求めています。

 さらに、11月に入り厚生労働省の専門家部会は、患者家族や濃厚接触者や無
症状感染者に対して、重症化リスクがあることを条件に発症予防目的で投与で
きるように了承しました。また、国内初の予防薬として抗体カクテル療法薬が特
例承認され、投与方法もこれまでは点滴でしたが皮下注射も可能となりました。



<抗体カクテル療法のしくみ>

 抗体がウイルスの表面にあるスパイクタンパク質に結合し、人の細胞に侵入
するのを防ぎます。

 この薬は、「中和抗体薬」とも呼ばれ、新型コロナウイルスから回復した人の
抗体を利用するなどして作った2種類の中和抗体を混ぜ合わせた(カクテル
した)点適役である「ロナリープ」を利用します。



<ソトロビマブ>

 2021年9月に、厚生労働省は5例目の治療薬としてソトビマブの特例承認
を行いました。国内では2例目の軽症者向けの治療薬となります。対象は、酸素
投与が必要ない軽症や中等症で、肥満や糖尿病など重症化リスクの高い患者で
す。

 ソトロビマブは、ウイルスから細胞を守る抗体薬であり、点滴投与されます。

 また、投与後、状態を確認する必要があるため、入院患者を対象に使用し、安全
性が確認されれば自宅療養中の患者に対して、往診時に使用できるようにする
とされています。

 また、既に承認を受け使用されている抗体カクテル療法と作用機序は同じで
あり、違いとしては、投与される抗体が2種類ではなく1種類である点です。

 さらに、ソトロビマブは変異を起こしにくい受容体結合部分に作用するため、今
後新たな変異ウイルスが現れた場合にも、効果が変わらないことが期待されて
います。



 新型コロナウイルス感染状況や、感染拡大を阻止すべく取り組まれてきたワ
クチン接種や治療薬について振り返ってきました。これまで世界では2億6千
万人以上の感染者が出ています(2021年11月30日現在)。その中でも肥満や
高血圧、糖尿病といった基礎疾患を持つことが重症化のリスクであると判明し、
改めて「健康」の重要性が世界中で論じられるようになりました。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークなどオンライン
システムの導入が進み生活様式も大きな変化を遂げました。そこで、新たに問題
となっているのが、歩数減少などといった運動不足です。また、在宅勤務による
孤独感など心のケアも大切です。心身の健康を維持する上で、今後ますますこう
した生活様式の変化に合った自己管理やサポートの必要性が高まっていくでし
ょう。





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