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図書館のリサ [経済]

理想的な配偶者の資質について、もう一度考えてみたい。
野心的、知性的、理性的、魅力的といった資質だ。 こうした資質を備えた人たちには、
どこで会えるだろうか? 大学である。 


大学は最高の花(花婿・花嫁学校)なのだ。億万長者の多くが、現在の配偶者とは大学で出会ったと
私に語っている。 知性的な配偶者を求めているのならば、キャンパスに行けば見つかる確率が高い。


上質の人間は上質のグループのなかにいる。
正しい出会いの場所を選べば、あなたのもとにどれほど大きな幸運が転がり込んでくるか
計り知れない。 「図書館のリサ」のケースを見てみれば、それがわかるはずだ。


大学で教えていてしみじみ喜びを感じることの一つが、非常に優秀で能力のある学生たちと
共同で研究を行うことだ。 リサはそうした優秀な学生の一人で、学部ではすべての科目で
Aの成績を収め、大学院進学試験とMBA適性試験も高得点をとった。 そのうえ彼女はチャーミングで
魅力的で、関心の幅も広く、課外活動も進んで行った。 リサは四年生の秋学期に、私の担当する
学部コースの一つを受講した。


その二週目に、リサと三人のクラスメートが私の研究室にやって来て、マーケティングで私が
研究を進めている分野についてもっと学びたいと言ってきた。 リサはその学生たちの代表格だった。


四人は、グループで調査を行い、その調査に基づいて研究論文を書きたいのだが、と私の意見を
求めた。 たとえその調査活動で単位がとれなくても、それによって四人は新しい分野の知識が
得られるだろうし、結果次第では大学院進学のための好材料になるのではないか、という心づもり
のようだった。 私は賛成し、その学期のあいだ、毎週月曜日の朝、一時間か二時間、四人と顔を
合わせることにした。


四人は調査プロジェクトの進捗状況を報告し、私は指示や読むべき資料を与えた。そして、
その学期がほとんど終わりかけるまで、四人のプロジェクトはすべて計画通りに進んでいたのだが、
ある日、思いがけないことが起きた。 あと二週で学期が終了するという月曜日、リサが初めて
欠席したのだ。 彼女はそのほんの数週間前、私のところに大学院への推薦状を書いてほしいと
依頼してきた。 リサの進学の手助けができることを喜んで、私は推薦状を書いてやった。


私は無邪気に、「リサはどこ?」と聞いた。



お聞きじゃなかったんですか? リサは結婚するんです。大学院にはいかないんですよ。






婚約したことなどリサからまったく聞いていなかったので、私は驚き、学生たちにあれこれ尋ねたが、
みんな私同様ほとんど何も知らなかった。 リサの代わりにグループのまとめ役になった学生が、
リサはみんなで進めてきた研究プロジェクトをやってきたのは、大学院の入学申請を有利にするため
でもあったのだが、それも必要なくなった。 もう、結婚するのだし、大学院にはこれっぽっちも
未練はないというのである。 リサは医学部の最終学年の医者の卵との結婚を決意した。


彼とは、つき合いはじめるとすぐ婚約していた。 リサが大学院という大きな目標を捨てたことに、
私たちは一様に驚きの反応を示した。 しかし、リサの事情を伝えてくれた男子学生によれば、
実のところ、大学院はリサにとって、万一医者と結婚できなかった場合の滑り止めだったというのだ。


また、第一目標を達成するためにとったリサの秘密の行動についても、その学生は教えてくれた。
リサは母親の助言に従って、毎晩医学部の図書館で勉強していたのだった。


彼女の母親はリサに、医者と結婚すれば働かずにすむし、お金の心配をしなくていい、と話した。
さらに母親は、医学部の図書館はそうした医者と出会える最高の場所だとも付け加えたのだった。


顔には出さなかったものの、私はそのニュースにショックを受けた。 リサは独力で経済的に
成功する能力を十分に持っていた。 そんな彼女が社会に出る前に第一線を退いてしまうのが、
私には信じられなかった。


なぜリサの母親は頭脳明晰な娘を医学部に押し込んで、医者と結婚するようけしかけたのだろうか?
今日、六桁の年収を得る層の男女比は、男五人に対し女一人だ。 七桁の所得層になると、もっと
女性の割合は低くなり、女性はその層の一〇%に満たない。


しかも、女性は高給取りの専門職に就いた場合でも、同じ専門職の男性の約五五パーセントしか
稼いでいない。 私がしばしば述べているように、女性は経済的に不利な立場にある。


大衆紙は女性の金持ちが増加しているという記事を書き立ててきたが、私の調査では、ここ二〇年余り
のあいだ、さしたる変化は認められない。 アメリカの億万長者人口の九〇%以上は既婚世帯で
占められているが、そこで決定権を持っているのは八〇%以上の確率で男性である。


こうしたデータから考えれば、リサの母親が娘に与えた忠告は当を得ていたのだろうか?


悲しい話しだが、リサの母親は将来直面する経済的に不利な現実を鋭敏に感じ取っていたのだと思う。
しかし、それでも私は、リサの有り余るほどの能力でそれを十分克服できたにちがいないとだけは
言っておきたい。




ある意味真実?
なぜ、違うと言える?
親が狂ってる、間違っている?


人生あっという間、しかし、
いろんな「不」がある。

不安、不満だ。。

だれかが、救って解決してくれるの?


ただ、本当にこれでよかったと思えるか、悔いが残らないかと
言いたい。




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